頭に巻く紫の布
殿様が病気になったときに頭に巻く紫の布。
時代劇でよく目にするおなじみの小道具です。
ふとんの上に起きあがった、青白い顔色をした若殿かなにかが頭にこの紫の布を巻いて、「うーん、まだ気分がすぐれぬ」なんてシーンがよくある。
で、こういう場面では必ずといっていいくらい、まわりにきれいどころの侍女を何人かはべらしています。
ふつうの男なら、これだけですぐに気分がよくなるというものだ。
しかしこの小道具、ちょくちょく目にするわりには名前を知らない。
まあ、ふだん使いませんからね。
最近、NHKの「八代将軍吉宗」で、近松門左衛門(江守徹)がこの紫の布を巻いている場面があったので、NHKのドラマ部に尋ねたところ、「あれは病はちまきというんだそうですLと親切に教えてくれた。
病はちまき。
何て存在感のある名前なんでしょ。
紫は体を浄化すると信じられていて、昔の人は厄除け、魔除けに使ったらしい。
ただ、紫は高貴な色と考えられていたため、この色を使えるのはもっぱら殿様や貴族といった人たちに限られていた。
そういえば、長屋の隠居やら、熊、八といった庶民連中がこの紫の布を巻いてるところを見たことありませんものね。